厳寒

冬のボーナスは出なかったが、世間並に、５日が仕事始めだった。
ただ違うのは、各自が年始の挨拶をサッサと済ませると、パソコンの前に座って、朝から通常勤務である。
景気が良い頃は、昼頃から新年会だった。７、８年前までのことである。
会社に出勤し、自分の所属する部署がある２階のドアを通ると、ヒンヤリとした空気を感じた。
すでに二人が出勤していて、エアコンのスイッチは入っているのを、自分でも確認した。
二人も今来たところで、つけたばかりなのだと思った。
すると
「年末の２４日から故障していて、部品がないから、まだ数日このままらしいです」
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その２４日から出張だったため、初耳である。２２日から会社に来てない。
いつまでたっても暖かくならない。むしろ、冷えてくる。
当然だ。
外で作業するときの防寒着を着て、ポケットに入っていた軍手まで着用する。
それでも寒い。
じっとしていて動かなければ、暖かくなるはずがない。
さらに着込む。
後から出勤してきた人も、同じように縮こまっている。
二人いる60を過ぎた顧問は耐えきれず、一時間もしないうちに、年始の挨拶に行ってくる、と二人とも逃げて行った。
外の方が、まだ暖かいんじゃなかろうか？
昼に入った中華の店がポカポカで、会社に戻る気になれないくらいだった。
普通の店や会社なら、エアコンぐらい効いている。顧問が出ていくのは、ごく自然。
初日からこれとは、ついていないのか。
年末の３日間、この場にいなかったのは、ついていたのか。
はぁ、身も心も寒い。フトコロも。

結局、３時過ぎに復旧。
手もかじかんで、仕事をするような精神状態じゃなかった。
ボーナスも出なくて、タダでさえヤル気がないのに。


ところで、この冬は、自宅で「蚊」を何匹も目撃した。
比較的暖かい押し入れやタンスに潜んでいるようだ。
刺す気はあるようだが、寒いので、動きがにぶい。
週に２匹くらい倒す。
寝ていると、夏じゃないのに、プ〜〜〜ンとやって来る。一度払うと、諦めるのか、その夜は二度と来ない。
やはり、普段より暖かいのだろうか。

は。